
いやだな。つらいよ。なんでわかってくれないの。
私のことなんてどうでもいいんでしょ。
メンタルはお天気のようなもの。いつもならそんなに気にならないことも、メンタルが弱っていると、ひどく傷ついたりします。
カウンセリングをしていると、「自分までひどくならないですか?」とよく言われます。プロとして自分の感情をコントロールし、いつも真摯に寄り添う気持ちを保つためにしていることをお伝えします。
「一波をもって一波を消さんと欲す、千波万漂交々起こる」
心の水面に起こった波を消そうとして別の小石を投げ込めば、ざわざわと波立つばかり。
波を静めようと思ったらそのままじっと見つめているしかないのです。
そうです。「慌てないこと」不安を不安でざわつかせるのではなく、不安の波が収まっていくのを「待つ」ことなのです。不安は必ず自然と消失していきます。
冒頭に書いたようなネガティブな感情、イヤな感情がおきてきたとしたら、私はじっと見つめてみます。
感情にはその奥底にある本物の感情があるのです。
たとえば、「なんでわかってくれないの」の奥底には「愛されたい」があるのかもしれません。
じっと見つめ、本物の感情に気がついた時、その本物の感情を相手に伝えるならどうしたら伝わるか考えます。長いものさしで先を見るのです。過去の誇大評価や未来の予期不安は、引きずると重いので、置いておきましょう。身軽にならないと前に進めません。ひとつひとつを過剰にとれえるのではなく、句読点をつけることで、一定の心のリズムが刻まれます。それがコツだと思っています。
カウンセリングは悩んでいる気持ちを聴き出し、感情を出してもらいます。心の叫びを出すことによってはじめて自分自身がどうありたいか、どうあるべきかが見えてきます。
カウンセラーは本物の感情を引き出し、どうあるべきかを一緒に考え、クライエントが気づき、解決するまでとことん寄り添います。メンタルはお天気のようなもの。カウンセリングは重い悩みを相談すると誤解があるようですが、心のリズムを整えるためにあるものなのです。