
自分の責任を果たす、人になるべく迷惑をかけないようにする。こうした姿勢は人として大切なことです。
しかし、どんなことでも「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。この姿勢が強すぎると、そこにデメリットが生まれます。
「やるべきことをやり、やりたいことをやるのが人生」です。
責任を果たしたら、後は自分がやりたいことを楽しむ。
この両方があるから「メリハリ」が出て人生は充実します。ところが、中には、「やるべきこと」だけに追われて過ごす人がいます。「やるべきこと」はやるけど「やりたいこと」はやっていない。こういう生き方の人が結構多いと感じています。あなたは、いかがでしょうか?
中には、自分のやりたいことをやる=わがままだ・・とか、
自分のやりたいことをやる=人に迷惑をかける・・・とか・・・
こんな「思い込み」に縛られている人が少なくありません。
小さい頃から親にそう刷り込まれたという人もいます。
いずれにしても「やるべきこと」ばかりの人生は、とても疲れます。
第一、生きていてちっとも面白くないし、楽しくもない。
自分が生きることに"光"や"希望"が注がないわけですからね。
人生というのは「やるべきこと」と「やりたいこと」の両方でバランスが生まれます。
どちらか一つだけに偏ると、どうしても生きづらくなっていきます。
やりたいことばかりでやるべきことをやらなければ、それは確かに人に迷惑な生き方になるかもしれません。
しかし、やるべきことしかやらずにやりたいことをしなければ、ある意味、それは自分に迷惑をかけた生き方です。
それに、私たちはどこかで必ず人に迷惑をかけています。いえ、正確にいうと迷惑というより、人のご厄介になったり、人の助けを得たりして生きていくものなのです。
そもそも「お互い様」という言葉があります。
私も時々迷惑をかけることもあるけど、あなたも何かあったら言ってね。
そう「お互い様」なのです。これを別な言葉でいえば「支えあい」です。
近年はこうした捉え方も希薄になってきました。
少しでも迷惑をかけられると不満や怒りを抱く人が増えています。
逆に、人に迷惑を絶対にかけないということに囚われている人もいます。
人間関係を健全に築き、維持していくには、あるところでは「お互い様」「支えあい」が必要です。
「迷惑かけてごめんね」「何言っているの、お互い様じゃない」
そんなやり取りができる関係性が、徐々に少なくなっている気がします。
ですから、やるべきことをやって自分の責任を果たしたら、
自分の好きなこと、やりたいことをやってください。
その際に、多少は誰かのお世話に(ご厄介に)なったりもするでしょう。
でも、だからこそ「今度何かあったら言ってね」という関係性が生まれます。
「やるべきこと」と「やりたいこと」を自分の生活の中でバランスよくやっていく。
そのために、周囲の人にちょっとずつ手伝ってもらったり、助けてもらったりして協力してもらう。
その分、何かの時には自分が周囲の人の助けになり、協力をする。
これが健全な人間関係だと思います。
こういうことを「面倒だ」と思わず、丁寧にやっていく。
その労力から得られるものは、お金や時間では代替できないものがあります。
ここにこそ、心の豊かさの一つ、人間関係の良さがあると思います。
もし「やるべきこと」に追われて「やりたいこと」が生活にない場合、ぜひ、そのバランスを見直してほしいと思います。もし、あまり周囲の協力が得られないとしても、そこは工夫次第で何とでもなります。
「工夫する」という努力が必要な時もあります。そうでないと、全てを「人のせい」にする人生に陥ってしまいます。
大事だと思うので、もう一度お伝えします。「やるべきこと」と「やりたいこと」をやるのが人生です。
生きづらい、気力がわかない、そう思ったら、ご自身の人生のバランスを捉え直してみてください。
そして、今の思いを聴かせて下さい。カウンセラーは人生の伴走者です。