
カウンセラーとして、カウンセリング活動を長く続けられる人。
そうした人には、一つの特徴があります。
その特徴があることで、カウンセラーとして息が長く、
しかもしっかりとカウンセリングを続けられています。
私の周囲にいる、息が長くしっかりとした活動を続けているカウンセラーの方も、皆共通してその特徴を持っています。
では、 その特徴とは何でしょう。
それは「論理的である」 という特徴です。
「論理的」であり、 「客観的」であり、「理性的」であるという特徴です。
物事の捉え方、分析の仕方、アウトプットの仕方にそうした特徴があります。
論理的に、客観的に、そして理性的に物事を捉え、分析をし、考え、伝えることに長けています。
しかし、ただ論理的な人間であるということではありません。
一方では情緒的で、感受性豊かで、豊かな感情理解ができる人でもあるのです。
一言で言うとそれは共感的理解に優れた感性を持っているということです。
この感性を持った上で、論理的、客観的、理性的な面も持っているということです。
カウンセリングの面接場面で言えば、共感的理解と客観的理解と、その両方を十分に機能させる人と言えます。
共感的理解とは、クライエントが言いたいことを言いたいままに受け止めることです。
クライエントが理解して欲しいことを理解してほしいままに理解する。
この理解なくしてカウンセリングは成り立ちません。
しかし一方で、クライエントのその先の人生や問題解決を考える上では、客観的理解を用いて現実検討をしていく必要があります。
クライエントを前にした時、あくまでも肯定的態度、姿勢を貫きます。そして面接が終わって振り返る際に、クライエントの話したこと、その全体的なことに対して問題があるならば「問題視」していきます。
この「問題視」が的確に行われなければ、クライエントが立ち直る道筋が描けません。
この問題視を的確に行うためには、 客観的理解が必要不可欠です。
ここに客観的理解がなければ、問題視のつもりでいてもそれは「感情的な人」に過ぎません。
カウンセラーがクライエントを感情的に否定すれば、もうカウンセリングはできなくなります。
感情的にではなくあくまでも理性的に捉える。
客観的な理解から論理的に分析をする。
これはクライエントを捉えるときだけの話ではありません。
カウンセラーが「自分自身」を捉える際にも必要不可欠な姿勢です。
カウンセラーとして自分自身を客観的に捉え、 論理的に分析をし、理性的な姿勢を維持するからこそ、この仕事を長くしっかりと続けることができます。
もちろんそれは共感的理解の反射神経を常に磨き続けることが前提になります。
どちらかに偏るのではなく、どちらも磨き続けていくこと。
それがカウンセラーとして長くしっかりと活動する秘訣だと言えます。