勇気と決断は捉え方から生まれる

私たちは誰でも、時には思い切った行動を選ばなければならない時があります。今まで経験のない事をやる。

 

結果がどうなるかわからない事に挑む。

そんな選択を迫られることがあるものです。

そういう場面で私たちは、そんな行動を選ぶ勇気や決断を迫られます。ところが、その勇気をどうしても持てない。決断しなきゃと思っても、どうしても出来ない。

そんな葛藤を経験することはないでしょうか?

 

時には、そんな勇気を持てず、決断も出来ない自分を責めてしまう。

失敗するのが怖くて、どうしても行動出来ないでいる。そして、そんな自分を変えたいと思う。

こうした経験をしたことはないでしょうか?

 

動けない自分、勇気や決断の出来ない自分を認めるのは、辛いものです。動かなきゃとわかっているのに動けない。変わらなきゃと思っているのに変われない。

このジレンマを打ち破るには、どうすれば良いのでしょうか。

 

実は、人間が起こす葛藤や苦しみというのうのは、その人の捉え方が起こしているのです。

つまり、苦しむというのは、苦しむような捉え方をその人が持っているということになるのです。

勇気が持てないのも、決断が出来ないのも、そのような捉え方をしているからなのです。

 

例えば、失敗が怖いという心理を例に考えてみます。

 

失敗が怖いという心理は、絶対に失敗したくないと考えるから生まれる心理です。

失敗してもいいや・・・と考えていたら、失敗って怖くならないんです。

失敗が怖いのは、失敗したくない、失敗出来ない、失敗は絶対に許されないと考えるからです。

こう考える人の中には、失敗に対する次のような捉え方があります。

 

失敗は許されない。失敗したら何も意味がない。

失敗したら、もう何もかもお終いだ。失敗する自分はダメな人間だ。

失敗したら自分以外の人間が自分を軽蔑する。

 

このような捉え方は、その多くが無意識に持っているものです。

自分でも、このような捉え方を持っていることに気づかない場合が多いのです。

 

例えば、失敗を過去に責められた経験から、失敗したらお終いだ、

責められるに値するダメな人間だという捉え方を持つようになったとします。

 

そのため、失敗は絶対に許されないと考え、失敗なんてありえないと思うようになります。

そうなると、失敗が怖いという心理が働き、心身共に萎縮して、何事にも消極的になります。

 

ところが本人がハッキリと自覚できるのは、心身の萎縮か、失敗が怖いという感情的な部分からです。

つまり、もう、おわかりですね。

勇気を持ち、決断するには、元の捉え方が変われば良いということになります。

なぜなら、勇気を持てず、決断出来ないのは、勇気と決断を奪う捉え方をしているからです。

では、捉え方というのはどうすれば変わるのでしょうか?

 

ポイントは2つ。

1)新しい捉え方を持てる経験をする。

2)新しい捉え方に、心から納得する。

 この両方が必要になります。

自然な順番としては1)を経験し、その結果納得する。その方が自然に捉え方が変わります。

ただ、逆のパターン、つまり、先に新しい捉え方が適切だと理解し、その理解を元に新しい経験に飛び込む。

 

その結果、新しい捉え方に対する理解が「納得」に変わる。こういう順序もあります。

ただ、無理をしても上手くいきませんので、その場合はやはり1)→2)の順番が良いと思います。

その場合、自分の視野を広げ、思い込みが邪魔をしないことがポイントです。

視野の狭さや思い込みがあると、新たな経験をしていることに気づかないからです。

この場合、せっかく新しい捉え方を獲得するチャンスであるのに、これまでと同じ捉え方に固執してしまいます。

 

これら一連の経験を一人でやるよりも確実に出来る機会が、カウンセリングだといえます。

カウンセリングはこうした新しい捉え方獲得のプロセスを、無理なく着実に経験するための機会です。