立ち直るカギ

カウンセリングで苦しみや絶望から立ち直る時、

とても大事になってくることがあります。

 

誰もが立ち直る上で必要なことと言ってもいいかもしれません。

 

では、その必要なこととは何でしょう?

 

それは自分の「正直な気持ち」です。

 

自分が今、どんな気持ちなのか?

どのような思いや感情があるのか?

 

先ずそこに気がつくことなんですね。

 

裏を返せば、多くの人たちが、意外と自分の正直な気持ちが何か気がついていないのだということです。

 

「こうしなければならない」「こうあるべきだ」に囚われていて、自分の本当の気持ちが置き去りになりがちなんです。特にストレスを抱えていたり、精神的に参っていて余裕のない時ほど、自分の正直な気持ちが置き去りになります。

 

世間体やう呑みにしている常識にしがみつき、自分が本当はどうしたいのかがわからなくなる。

正直な気持ちが疎かになっていて、「本当はこうしたいんだ」「本当は嫌なんだ」という心の叫びを押さえつける。

その結果、生きづらさを覚えながら、必死に生きているという人が、カウンセリングには本当にたくさん訪れます。

 

先ず、カウンセリングによって自分の正直な気持ちに気がつきます。

次に、その自分の正直な気持ちをご自身で尊重できるようになります。

 

ここで多くの人たちが、こんな疑問を持つようです。「それって、わがままなんじゃないの?」

ところが、これが実は大きな誤解なんです。なぜなら「自分の気持ちを尊重する」ということは、

他人の気持ちに配慮せずに自己中心的に振る舞うこととは違うからです。

また、他人に配慮を働かせることは「自分の気持ちをとにかく押さえつけること」とも違います。

これらを混同して悩み、苦しんでる人が実に多いのです。

 

例えば「人を許すこと」は大切かもしれません。

でもそれは、許せないという自分の正直な気持ちにウソをついてまで許そうとすることではありません。

許せないことよりも「自分の気持ちにウソをつくこと」の方が、私は不幸なことだと思います。

許せないという気持ちが本当の偽らざる気持ちなら、許せないままでもいいんです。

 

しばらくの間は許せないままで生きていこう。

そのくらいでも十分に幸せに生きていけるようになります。

それに、許せないという正直な気持ちを尊重していくからこそ、

視野が広がり、人生観も深まり、許すことより大切なものも見えてきます。

つまりは自分の本当の(大切な)気持ちにウソをつかないということです。

 

人生、そこから再スタートが切れるんです。

 

誰でも否定的な気持ちや感情を抱く自分のことを嫌だなと思うものです。

それこそ、そんな自分を許せないという想いも出てくるでしょう。

特にそれが怒り、嫉妬、憎しみなどであればなおさらです。

でも、それでも、そうした気持ちが自分の中にあることを正確に認識すること。

 

それが立ち直りには必要不可欠になります。

 

そして、こうした否定的な気持ちや感情を一旦認めてしまうと、かえって気持ちは楽になるものなのです。

 

こうして真実を知ること、そして気持ちが楽になることによる精神的な余裕が視野を広げてくれます。

このプロセスが立ち直りをより確かなものにしてくれるわけです。

 

先ずは、自分にウソをつかない。立ち直りのスタートは、やっぱりそこからなんです。