
原因は、主に3つ。
1.人間関係が上手くいかない。
これは誰かからハラスメント的な態度を取られた場合もあれば、自分が人間関係が苦手な場合もあります。職場での人間関係に行き詰ることが多く、結局退職してしまうというケースが実に多いです。
2.アイデンティティークライシス。
人間はだいたい18歳前後で基本的な人格形成がひと段落します。そして25歳位までに、このアイデンティティーが確立するといわれています。最近ではもう少し幅が出てきて、確立するのに30歳位までかかる場合もあります。このアイデンティティーが確立されないと、自分がどんな人間なのかがよくわからない。何をしたいのか、何が得意で何が苦手なのか。そうしたことがわからないことでいろいろ悩みが出てきます。
自分はどんな仕事をしたいのだろうか?
何をしている時が一番自分らしく、充実して過ごせるのだろうか?
何の仕事をすることが自分の能力を生かすことになるのだろうか?
こうしたことがわからないまま行き詰ってしまいます。
その結果、自分の仕事に対するモチベーションがなかなか持てません。
また、同じ失敗を繰り返して心が折れてしまったりして、結局は退職してしまいます。
3.社会人(大人)としての成熟が、何らかの原因で十分ではない場合。
原因は過去の何らかの経験によって自己否定観が強い場合です。
親子関係の問題や、いじめや人間関係のトラブルという場合が多いですね。
それで自己否定観が強いため、ちょっと失敗したり、ちょっと注意されただけで激しく萎えてしまう。
立ち直る力(レジリエンス)が弱いために、そのまま立ち直れずに退職するしかなくなります。
結果として自分を責めてしまうので、更に自己否定観が強くなる悪循環に陥ります。
この3つが原因となる場合、数か月から2~3年単位で転職を繰り返す場合が多いです。
そのため、一つの仕事や一つの職場でしっかりと経験が積めないため、次の仕事や職場でも上手く適応できない確率が高くなってしまうのです。
また、例外として俗にいう「器用貧乏」な人。
こういう人はここまで説明した人と違い、仕事をこなす能力は高く、人間関係の形成にも長けてはいます。
それなのに、なぜか仕事が続かなくなってしまいます。
ただ、これは先にあげた「アイデンティティー」に問題がある場合があります。
クライシスという程ではないけれど、自分の興味・関心や適性(能力)に対する的確な把握が出来ていないのです。
そのため、自分の能力を過小評価したり過大評価したりして、等身大の自分に気づけない。
だから「こんなはずじゃない」「何か違う」という欠乏感を覚え始め、結局は続かなくなってしまいます。
「熱しやすくて冷めやすい人」も同様です。
器用貧乏な人の場合は、同じ仕事を5年以上続けることが難しいケースが多く見られます。
本人はもっと続けられる自分でありたいと思っているのに・・・です。
いずれにしても、物事を続ける力というのは「続けていく」という経験によって培われていくもの。
同じ仕事をしっかりと続け、その経験値によって自分なりの「職業観」「人生観」を獲得する。
その結果「これだ」という仕事がわかったり、あるいは一つの仕事を続けられるようになります。
カウンセリングでは、こうした様々な原因を見極め、再構築を図ります。