
健康経営を宣言されている経営者・総務人事担当者のみなさま、新型コロナウイルスワクチンに関する情報を従業員に周知していますか?従業員が正しい情報に基づきワクチン接種を検討できるよう情報提供を行い、実際にワクチン接種を受けるにあたり、具体的な対応の準備をしましょう。
(1)ワクチン休暇制度導入などワクチン接種しやすくなる工夫を検討する。
従業員が新型コロナワクチンを接種することで、発症予防効果が期待されます。
しかし、休日は接種の予約が難しく、接種の先送りをしてしまう等が懸念されます。
従業員の接種率を高めるため、以下の取り組み事例を参考に検討しましょう。
- ワクチン接種を労働時間内に受けることを認める。
- ワクチン接種をする従業員のために特別有給休暇を新設する。
- ワクチン接種会場までの交通費を支給する。
(2)具体的なワクチン接種の手順や注意点について情報提供する。
<接種前>
- ワクチンの効果、副反応については、<関連情報リンク>(2)を活用し周知する。
- ワクチン接種の申し込み手順を周知する(<関連情報リンク>(3)(4))。
- 持病のある人は主治医とワクチン接種について事前相談するよう周知する(<関連情報リンク(5)(6)も参照)。
<接種当日>
- 接種券、本人確認書類(マイナンバーカード、免許書、保険証等)を持参する。
- 密を避けるため予約した時間に接種会場へ行く(早めに行くなどしない)。
- 肩の筋肉に接種するため、肩を出しやすい服装で接種会場へ行くよう周知する。
<接種後>
- アナフィラキシーは接種後30分以内の発症が多く、接種後は接種会場で15-30分待機し、発症すれば医療従事者が必要な対応を行う。
- 接種部位の痛み、発熱、だるさは多くの場合、接種して3日以内に症状が出て、1-2日以内に治まる。辛いときは市販等の解熱剤/痛み止めを使用してよい。
- 予防接種によって健康被害が生じ、医療機関での治療が必要になったり、障害が残ったりした場合に、予防接種法に基づく医療費・障害年金等の給付が受けられる。
(3)ワクチンの副反応が出た場合への備えを検討する。
新型コロナワクチン接種後(特に2回目)には接種部位の痛みが90%以上で認められており、現場作業者は業務に支障が出る懸念があります。
また、発熱やだるさの副反応は半数近く発生し、6.6%程度が仕事を休んだと報告されています。
同じ職場の従業員が同日に接種すると、副反応で同時に休む(または作業ができない)ことも考えられます。
以下のような対応を検討し備えましょう。
- 可能な範囲で予防接種の予約日が同職場内で重ならないよう調整する。
- 接種翌日に休暇が取りやすいよう事前に業務調整しておく。(シフト勤務者の場合、体調不良に備えて代替要員を決めておく)
- 副反応による特別有給休暇を半日~1日取得できる制度を設け、休みやすくする。
(4)ワクチン推奨における留意事項を念頭におく。
どんなワクチンでも、副反応が起こる可能性があるため、接種の判断は各個人がメリットとデメリットを勘案して行うべきです。また、ワクチン接種後も100%感染しないわけではありません。以下の留意事項を念頭において情報提供をしていきましょう。
- 引き続き、マスク、手洗い、ディスタンスといった感染対策は継続する。
(ワクチンを受けていない人にうつさないためにも) - ワクチンの接種はあくまで個人の意思で行うもので、会社として接種を強制しない。
- ワクチンの接種状況は個人情報なので、社員に申告を強要しない。
- ワクチン接種をしない社員に対し不利益取り扱いをしない。
<関連情報リンク>
1)CDC(米国疾病対策予防センター)雇用主向けに新型コロナウイルスのワクチン接種に関するガイドライン/Workplace Vaccination Program
2)【企業向け新型コロナウイルス対策情報】第41回「 新型コロナウイルスワクチン情報」
3)65歳以上の方向け「新型コロナワクチン接種のお知らせ」(厚生労働省)
4)厚生労働省 コロナワクチンナビ
5)「ワクチンに便乗した詐欺に注意」(政府インターネットテレビ)
6)血をサラサラにする薬を飲まれている方へ
7)こびナビ ワクチンQ&A:みなさんへ(アレルギーや基礎疾患のある方、妊娠中・授乳中・妊娠を考えている方、お子さまに対するワクチン接種)
8)新型コロナワクチンを受けた後の注意点
9)厚生労働省 ご存じですか?予防接種後健康被害救済制度
10)新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)について(中間報告第6版 2021/4/30)